娘が生まれて6日目の夜、急に退院の日にちが明日から明後日に延期されることになった。理由は娘の体重がまだ出生時の値に戻っていないため。ちょっといやな予感がした。翌日、小児科の先生の診察を受け、娘に先天性の心疾患があることを告げられる。心室中隔欠損症。遺伝性はないらしいが自分の妹もそうだった。名前に聞き覚えはあったがやはり驚いた。
「心室中隔欠損症(VSD)」は左右の心室を仕切る壁に孔(あな)が開いているという病気で、先天性の心疾患としては、もっともポビュラーなもの。孔の大きさにより症状がだいぶ違う。小さければ自然に孔がふさがり治る場合もある。私の妹は小学6年ぐらいのとき自然に塞がった。
実は、生まれる前の検診で、一度心臓に異常の疑いがあるといわれたことがあった。その後の検診では問題ないといわれていたが、結果的には、あの時診察してくれた医師の見立てが正しかった。
生まれた病院では、退院の前日にお母さんに豪華な夕食が出されることになっていたが、あのときはなんだか悲しい夕食になってしまった。
退院から一週間後、紹介された病院に行き、レントゲン、心電図、心エコーによる検査をした。孔の大きさは中程度。これから成長していくにしたがって、孔も小さくなり元気になってくるかもしれないし、孔が小さくならないまま負担が増え、具合が悪くなるかもしれない、とのこと。「ラシックス」、「アルダクトン」の利尿剤が出され(その後、心臓の負担を軽くするため「カプトプリル」も追加)、それから毎日薬を服用し、月一間隔で経過観察のために通院することになった。
それから5年が経過。当初から自然に孔がふさがらないようなら、小学校にあがるまえ頃には手術をしたほうがいいと言われていたが、塞がらないままとうとうその時期になってしまった。
担当の先生は、感じの悪い先生ではなかったが、年一回の心エコーの検査では、孔の大きさが最初は3ミリだったのが、翌年は5ミリになったり(普通は大きくならないが)、こちらの心配度合に対して、少々アバウトな印象があった。また、娘は見た目病気なんてわからないほど元気なので、本当に手術の必要があるのかという気もしていた。
手術は「希望がなければ提携先の病院になる」といわれたが、セカンドオピニオン的なものも求めたかったので、自分がネットで探した「榊原記念病院」(心臓手術で有名)に行くことにして、紹介状を書いてもらった。家からは少し遠いが、いいところのほうがよいので。
今日は「榊原記念病院」ではじめての診察。すごくきれいな病院だった。前の病院の検査は1日がかりだったが、ここでは30分もかからずに終わった。
担当の先生は、さばさばした感じの女性の先生。やはり手術をしたほうがいいということだった。もう考えてもしょうがないので、その場で手術を決意。
順調にいって幼稚園は一ヶ月ぐらい休むことになるとのこと。先生はすぐに入院みたいな勢いだったけど、春休みにかかる3月にすることにした。