富士山頂上浅間大社
今回の登山の目的は2つ。「一生に一度でいいから富士山に登りたいという想いを実現すること」、「一の宮巡拝の一環として、頂上にある富士山本宮浅間大社<駿河国一宮>の奥宮に参拝すること」です。いよいよそのときが近づいてきました。
コースタイム
- 八合目出発 1:00
- 九合目 1:35
- 九合五勺 2:15
- 山頂 3:10
- ご来光 5:03
- 下山開始 6:50
- 御殿場口八合目 7:35
- 御殿場口七合五勺 8:15
- 御殿場口七合目 8:40
- 御殿場口下り六合 9:00
- 宝永山馬の背 9:xx
- 宝永第一火口 9:50
- 宝永第一火口縁 10:xx
- 六合目 10:10
- 五合目 10:30
1:00 八合目出発
眠れないまま、寝袋に横になっていると、12:00に隣の人が宿を出ていきました。自分は1:00に出るつもりですが、眠れないので、早めに支度をはじめることにしました。
服装は上はユニクロのエアリズム、サッカー日本代表のTシャツの上に、ユニクロのフリースシャツとウルトラライトダウン。その上に、雨具。下はユニクロのジョガーパンツの上に雨具。頭にはモンベルの帽子の下に毛糸の帽子を被りました。外に出てみると、ちょうどよいくらいでした。
空の星がきれいで、流れ星も見えました。やはり目に入ってくるのはオリオン座。先日、安曇野に家族で行ったとき、夏の大三角とさそり座を覚えたのですが、よくわかりませんでした。
慌てずにゆっくり登ります。傍にいたツアーのガイドさんがメンバーに「いまここにいる人は必ず登れます」と言っているのが心強く感じました。ちょうど、おじいさんとおじさんの二人組がゆっくりとしたペースで、歩きやすいところを選びながら登っていたので、九合目の手前までしばらくその後ろについて登りました。
1:35 九合目到着
ほぼ、標準のコースタイム通り。山小屋の前は混雑しているので、少し先まで進んで、5分から10分程度の休憩。
すぐ先に再び鳥居。
2:15 九合五勺到着
次はいよいよ山頂。少し急な岩をのぼっては小休止を繰り返しながら進みました。休むと少しの間ですが足取りは軽くなります。ご来光の時刻近くになると、山頂までの道は渋滞で歩けなくなるそうですが、まだ早かったせいか、それほどでもありませんでした。
3:10 山頂到着
やったー!!
余力を残した状態で到着できました。早速、ここから15分のご来光鑑賞スポットの朝日岳へ移動。ところが、向かう道は横風が強く、真っ暗でほとんどひとけがありません。15分過ぎてもそれらしいものが見当たらず、不安に感じていると前から中国人と思しき外国人が一人歩いてきて話しかけてきました。 「ご来光はこちらで見えますか?」「私もわからないのです。どちらから来ましたか?」「吉田口です。すぐそこです」 どうやら、だいぶ通り過ぎてしまったようです。引き返しながら、途中で休んでいる人に尋ねてもわからず、そうこうしているうちに今度は戻り過ぎました。もう朝日岳はあきらめて、道の脇の岩に腰を下ろし、適当にここで見ることにしました。
日の出時刻の30分前頃から急にガスってきて、これではご来光が見えないのではとちょっと不安になりましたが、しばらくして晴れました。 明るくなってくると、朝日岳なのか、目の前の道は多くの人が右から左に、向こうに見える山のほうに歩いていきます。私はヘアピンカーブの曲がり角に座っていましたが、後ろからは「道の途中で立ち止まらないでください」と警備員さんの声。これは私のことではなさそうですが「ここからはご来光は見えません」とも。 日の出の時間が近づくと、たしかにここからは見えないことがわかり、慌てて荷物はそのまま、カメラだけを持って、10mぐらい先の道の反対側のスペースに移動して、ご来光をゲットしました。おそらくこの場所は「駒ヶ岳」だと思われます。
一緒に来た相棒にも見せてあげました。
移動しようと立ち上がると、一瞬だけ気持ち悪くなりました。気持ちが張り詰めていたせいで呼吸が浅くなっていたのかも。ここまで高山病は大丈夫でしたが、まだ油断はできないようです。
5:30 富士山頂上浅間大社奥宮
富士山奥宮に参拝し、無事御朱印をいただきました。
申年の今年は、12年に一度、特別な御朱印もあるそうで、両方いただきました。
未明にくぐった鳥居の裏側。
6:10 剣が峰
富士山の火口と駿河湾を見て、最後に剣が峰に登ります。剣が峰までの途中に馬の背と呼ばれる急坂があります。これがすべって危険。手すりにつかまりながらやっと登りました。 剣が峰はそこから階段を上った先にありますが、最高峰の碑の前までは写真を撮る人の大行列。並ぶつもりだったのに、前の人についていったらそのまま上まで来てしまいました。降りて登りなおすのももう嫌で、脇から写真を撮りました。 帰りは、馬の背を回避するために反対の坂を降りることもできますが、そのままお鉢巡りをしなければならないので、もと来た馬の背を下りることにしました。思ったほど危険ではありませんでした。
富士山の火口
雲の向こうに駿河湾が見える?
剣が峰
6:50 下山開始
疲れた体で富士宮口の岩の坂を下りるのは危険と考え、初心者にお勧めといわれる御殿場口から宝永第一火口経由で富士宮口の六合目に戻ることにしました。 御殿場口の道は富士宮口とはだいぶ違って砂利の坂が延々と続く感じ。怖さはありませんが、体力をかなり消費しました。登ってくる人もちらほらいましたが、これは上りもきついんじゃないでしょうか。 昨日と違って晴れていて暑いのと、蜂のような虫にたびたびまとわりつかれて、大変でした。
7:35 御殿場口八合目到着
400m下の、七合九勺に到着は、7:55。下山開始から中年の男女グループ2組と同じくらいのペースで降りてきたのですが、徐々に引き離されていきます。
8:15 御殿場口七合五勺到着
すぐ下に七合四勺のわらじ館が見えます。先ほどから周囲の人の数が少なくなってきました。このコースの心配なところは、いくつかの分岐を間違えないで行けるかです。
8:40 御殿場口七合目到着
ここは休まずに通過しました。すぐ先が大砂走りで、その途中に最初の分岐があります。
大砂走りはこんなところでした。あまり人がいなかったので普通の人がここをどれ程走れるのかわかりませんが、私は疲れもあり言葉通りには走れませんでした。ただ、もたもた歩くと砂に足を取られて、余計に疲れそうです。
9:00 下り六合(富士宮口への分岐)到着
正面は宝永山。左の道が御殿場口下山道で、右が富士宮口方向です。
心配だった分岐にはしっかり看板が出ていました。下山から一緒だった2組の中年グループに追いつきましたが、私はここで休憩。2組とも富士宮口のほうに行ったようですが、以後、出会うことはありませんでした。
下り六合から宝永山馬の背までは霧がかかり景色は見えませんでしたが、快適な道でした。
9:xx 宝永山馬の背(富士宮口への分岐)到着
この先から霧が次第に雨になりました。大砂走りで抜かし、おそらく休憩の間に抜きかえされたと思われるおばさんが前にいましたが、次第に離され、霧の中に消えて行きました。周囲に全く人影はなくなり、眼鏡も気温差と霧雨で両面から視界不良。分岐はないのでこの場所で迷いようはないはずですが、不安な気持ちが高まりました。しばらくすると、小学生の集団が前から来て、付き添いの人に道に間違いがないことを確認すると、少し安心しました。
9:50 宝永第一火口到着
結果的にここまでほとんど標準のコースタイムどおりでしたが、とても長く感じました。ここで小休止。下山途中で脱いでいた雨具の上着を着ました。小学生の集団以降、少し人とすれ違うようになりましたが、同じ方向に向かう人は六合目に着くまでいませんでした。 この先、六合目まで上り坂。
10:xx 宝永第一火口縁到着
早く戻りたい一心で、休憩をとらずに通過。案内板のところに立っていた何かの関係者と思われる人に「お疲れさん」と声をかけられました。
10:10 富士宮口新六合目到着
ようやく富士宮口の道に戻ってきました。先ほどの道とは、上りも下りも人の数が全然違います。空も少し明るくなりました。一時間弱の間ですが、疲れた足で、雨霧の中、ひとけのない道を歩くのは心細かったです。もしかしたら、富士宮口をそのまま下りたほうが気分的に楽だったかもとちょっと思いましたが、いやいや、人の多い中、疲れた足で、雨霧で滑りやすい岩の斜面を下りるほうが、もっと危なかったかも。転倒もなく、無事に帰ってこられて、もう一つの道も体験できたのだから、よかったことにします。
10:30 五合目到着
すぐに「水が塚駐車場」行きのバスに乗り込みました。バスが走り出してから雨がひどくなり、11:15、駐車場到着時は豪雨でした。急いで車に戻り、リュックと雨具をトランクに入れ、車中で着替えました。 温泉に立ち寄る計画は疲れたのでパス。途中で眠気が襲ってきたので、中井PAでトイレ休憩とソフトクリームを食べてリフレッシュ。家に着いたのは、13:00でした。
まとめ
無事に当初の目的を達成し、ご来光まで見られてよかったです。富士山の道のりは、特別厳しい難所はありませんが、高所で長いのが難点だと思います。
とても疲れましたが、それも想定内。一昨年の鳥海山のようにバテバテで標準のコースタイムを大きく外れることはありませんでした。鳥海山は一日で行っていることもありますが、やはり装備や登り方など、事前の準備をしっかりしたことが好結果につながったと思います。
靴、ザック、レインコートは三種の神器といわれるだけあり、ちゃんとしたものを事前にそろえてよかったです。
着替えは持って行って大正解でした。山小屋でパンツは替えられなかったけど、あ、普通はトイレで替えるのかな?、汗になった上半身を着替えられてよかったです。
去年安土城に行くときに買ったストックもあってよかった。疲れかたが全然違ったと思います。上りは片方、下りは両方使いました。
高山病も、周囲に頭痛いといっている人はいましたが、自分は五合目の休憩や深呼吸、こまめに水分補給など気を付けたおかげか、ならずに済みました。
でも、いまはもう一度登りたいとは思いません。どうせ大変な思いをして登るのならば、違う山に登ってみたいです。