あらゆる分野にマニアと呼ばれる人たちがいますが、世の中には「道路マニア」という人たちもいるそうです。
先日テレビで、彼らが東京近郊のおすすめスポットを紹介していたのを観て、
実際にそのひとつを見に行ってきました。
「40高中」とは
平成4年に道路交通法が改正される以前の道路標識で、高中は、それぞれ高速車、中速車の略。
昔は、車に高速車、中速車、低速車の分類があり、
この道路は高速車、中速車も制限速度40キロ/hですよという意味らしいです。
改正後は、そうした分類はなくなり、速度の数字だけになっています。
昔の標識なので、今はほとんど見かけません。
マニアは、僅かに残っている道や、高中を消した跡が残っている道を見つけて、
喜ぶのだそうです。
この標識、言われてみるとたしかに子供のころ良く見かけたし、
そのとき、高中って何のことかわからず、ちょっと不思議だった記憶があります。
懐かしくなって、もう一度、実物を見てみたくなりました。
秋ケ瀬橋旧道
テレビで紹介されていたのがこの場所。
秋ケ瀬橋は、埼玉県の県道40号線、志木市とさいたま市の境を流れる荒川に架かる橋で、
現在の橋は1982年にそれまでにあった橋の50m上流に新たに造られました。
前の橋は今の橋の完成とともに取り壊されましたが、
橋に繋がっていた道路の痕跡が橋のたもとに少しだけあり、
その廃道に"40高中"の文字が残っています。
下の写真は、さいたま市のほうから志木市側に秋ケ瀬橋を渡りきったところ。
県道40号線を少しはずれて、荒川の土手沿いの道から撮りました。
上の赤い道が現在の道路で、下が廃道。廃道の手前側は、いまは荒川の土手にぶつかり道は切れています。
廃道は数十メートルしかありません。下の写真は上の写真の反対側の廃道から撮ったもの。
奥の土手の向こうに荒川が流れています。
歩行者は、新しい道から黄色い階段を降りて、この道に入ることができます。
ちなみに、道路マニアの中には「廃道」というジャンルもあるそうです。
新しい道の脇の階段を降りてすぐのところに、お目当ての"40高中"がありました。
廃道だからこそ残っているといえるでしょう。
私は、何事もマニアにはなりきれませんが、
往復2000円の交通費をかけてこれを見に来るのですから、物好きに違いありません。