通勤途中に自転車で転倒し、第一腰椎圧迫骨折で入院する。

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今まで大きな病気や怪我をしたことがなかった私ですが、先日通勤途中に自転車で転んで第一腰椎を圧迫骨折。 先日まで入院していました。

腰椎圧迫骨折とは?

経緯

4月27日の朝、いつもどおりの自転車通勤の途中、会社敷地に入ってから、 地下駐車場兼駐輪場の入口の下り坂道で自転車が滑り、転倒。大きく尻もちをつきました。 自転車が滑ったのは、早朝に降った雨で路面がぬれていたことが原因と思われます。 尻もちの反動で腰をやってしまったのはすぐわかりました。

尻もちをついたとき、大声を出していたので、ビルの清掃のかたがすぐ気づいてくれて、総務部の社員を呼んでくれました。 総務部の社員が来てくれましたが、自分は立つこともできず、座っているのもしんどかったので、坂道の途中で路面も少し濡れていましたが、構わず仰向けになりました。

しばらく休めば大丈夫な気もしましたが、まだすぐには動けそうもありません。 今は痛みを堪えて息をするのも苦しい状態。

少しして総務部の社員が担架を持ってきてくれたので、それに転がりながら乗ると、 スロープの下まで運ばれました。

ほどなく救急車が呼ばれました。さすがに救急車はいらないとは言えません。

救急車~病院

救急隊員に、どういう形で転んだだとか、痛いところはどこかとか、しびれがあるかとか、 いろいろ聞かれました。痛いのを我慢しながら、ひとつずつ答えていたつもりでしたが、 途中「ちゃんと質問に答えてないよ」とか言われたりして、ちょっと心外でした。

駆け付けた警察官には「事故として扱っていいですか?」と聞かれました。 どういう意味かよくわからず返事に窮していると、総務の社員が「労災です」と応答しました。 救急隊員のオーバー過ぎる対応と対照的に、目の前で苦しんでいる人に対して、 ずいぶん事務的なことを聞いてくるものだと思いました。

救急車では、首を固定する器具をつけられ、上体はいままでよりも少し起こした体勢にされました。 首の器具は邪魔で痛くて、体が上がったことで腰の痛みが増しました。

病院に到着すると、腰のレントゲンを2枚撮っただけで、すぐに「第一腰椎圧迫骨折」と診断されました。 医師は、横になったままの私に「2、3週間の安静が必要、治療は横に寝てるだけ」と言い残し、 すぐにいなくなってしまいました。看護師からは「入院するか自宅に帰るか決めてください」といわれました。

このまま自宅に帰る?帰ってどうしたらいいのか。そもそもどうやって帰るのか。 返答に困っていると、看護師さんが「普通は2、3日、入院するものだ」と言われたので、 入院することにしました。

入院:4月27日(木)

ストレッチャーのまま病室に運ばれ、ベッドに移りました。 病室は知らせを聞いて来た妻が個室にしました。 看護師さんから「ベッドアップは45度まで、それ以上はあげてはいけない」といわれたほか、尿瓶の使い方を説明されました。 まだ出勤時のスーツ姿でしたが、妻が近くのスーパーでパジャマを買ってきてくれたので、それに着替えました。

12:00に、昼ご飯が運ばれてきました。 持ってきた看護師さんはベッドを45度まで上げ、「後は自分で食べるように」と言い、帰っていきました。 45度の姿勢はまだ辛く、もう少し傾きを下げて、休み休み食べました。 食欲がなかったのでおかゆにしてもらいましたが、水気のあるものを寝ながら食べるのは大変でした。

食事後、処方された痛み止めの薬を飲んだら、少し楽になりました。

時折、看護師さんが尿瓶を空けに来ます。うんちはどうやってするのか聞いたところ、 「ベッドから起き上がってはいけない間はベッドの上で」とのこと。 そういえば、朝、会社に着いたらトイレに行こうと思っていたのでした。。 ベッドの上でするのはちょっと抵抗があるので、しばらく我慢することにしました。

その他の時間は、何もできないので、スマホでネットをみたり、ゲームをしたりするだけ。。

18:00に夕食。21:00に消灯。消灯の時間に来た看護師さんに「まだ電気を点けていますか」ときかれたので、 「はい」と答えると、その後は23:00までほったらかしでした。

突然、非日常的な生活に変わった一日が終わりました。

入院2日目:4月28日(金)

寝ている間に、痛みで目が覚めましたが、食後でないと薬が飲めないので我慢。

8:00に朝食。食事の間隔は、朝食から昼食までの間が4時間、昼食から夕食が6時間、夕食から朝食が14時間。 薬の服用は食後ですが、大分時間間隔のバランスが悪い感じ。 朝になったら痛みがそれほどでもなくなっていたので、朝食後は飲むのをやめました。

朝食後、医師の回診。「どうですか、寝がえりはできるようになりましたか?もう、2、3日したら、ベッドの角度を上げますから」だけ言って、1分も滞在しないうちにいってしまいました。 不意打ちだったので、何も質問することができませんでした。

そのほか、午前中は、血圧・体温・酸素濃度を測る看護師、体を拭くタオルを持ってくる人、ゴミ箱のゴミを回収する人が来て、昼以降は、昨日と同じ。。

スマホばっかりいじっているのも飽きたので、面会に来る妻にいろいろ持ってきてもらって、 本を読んだり、資格試験の勉強をしてみたりしました。 少し体を上げて鉛筆を持ったら、ボーッとしていた頭が少しすっきりしてきました。

入院して以来、そういえば歯磨きもしていませんでした。夕食を持ってきた看護師さんに、どうしたらいいか尋ねたところ、口をゆすいだ水を出す容器を持ってきてくれました。 しかし、水は用意してもらえず、妻が飲むために持ってきてくれたペットボトルの水で、口をゆすぎ、歯ブラシを洗いました。水を出した容器もこちらが何も言わなければそのまま。 ベッド脇に歯を磨いた後の口をゆすいだ水と尿瓶の尿が置かれた状態で、朝になるのを待ちました。

入院3日目:4月29日(土)

早朝来た看護師さんに医師の回診のスケジュールを尋ねたところ、土日祝日はないとのこと。 回診がなければベッドの角度制限の指示も変わらないので、今日明日は現状維持ということです。 何よりトイレ(大)の指示が変わらないのが困ります。

来週は水曜から5連休になるので、ぼやぼやしていると1週間以上今と同じ状態のまま放置されそう。 長期に及ぶ入院は、個室の差額ベッド代も気になります。

頭が痒いのも大変。気休めですが、体を拭くタオルで、真っ先に頭を拭きました。

血圧・体温・酸素濃度の計測のために来たベテランの看護師さんに「来週の連休前に退院できないか」と聞いてみたところ、「月曜日に医師に相談してみましょう」と言ってくれました。 少し希望の光が見えた気がしました。

入院4日目:4月30日(日)

朝食後、これまで我慢していたうんちが限界。ベッドでするにしても道具がなく、ナースコールで看護師を呼んでも誰も来てくれません。「なかなか来てくれないから自分でトイレに行きました」でもいいのかなぁと思いつつ、 勝手なことをして怒られるもの嫌なので我慢していると、昨日退院の相談をした看護師さんがやってきました。
ナースコールで来た様子ではありませんでしたが、とにかくトイレの話しをすると、 「本当はまだ駄目だけど、ベッドでは無理だと思うから、車椅子でトイレに行きましょう」と言ってくれ、 歩けば5、6歩のところを車椅子に乗り、無事にできました。

トイレから車椅子で戻るとき、同じ看護師さんに「トイレの隣のユニットバスで頭も洗いたい」と訴えると、 午後に男性看護師を呼んでくれました。車椅子を押して、病室の外の洗面台まで移動し、頭を洗ってくれました。

今日はいままで懸案だったトイレと髪の毛の問題が解決し、すごくいい一日でした。 しかし、夜になると、猛烈に家に帰りたい気持ちと同時に、 いま家に帰って大丈夫かという心配も沸き上がり、 別の病室のおじいさんの声もうるさくて、眠れなくなってしまいました。

入院5日目:5月1日(月)

早朝、またトイレ(大)に行きたくなってしまいました。 昨日と違う看護師さんだと同じようにしてくれるかわからないので、 誰も来ない隙に食事のテーブルを手すりにして、一人でトイレに行ってみました。 無事成功。今日は医師に退院の相談をする予定ですが、その自信になりました。

朝食後の回診。医師が「今日からベッドの角度を60度にしましょう」とだけ言って帰ろうとしたので (退院の相談、伝わってない?)呼び止めて、「できれば連休前に退院したいのですが」と話をすると、 「大丈夫でしょう」との回答。
横にいた看護師さんが若干驚いた様子で、「車の手配が。。今日ですか、明日ですか」といい、 先生が「連休前だから明日ですよね」というので、「はい」と答えました。 あっさり明日の退院が決まりました。

その後、若手の看護師さんが、介護タクシーのパンフレットを5社分ぐらい持ってきて、 「普通のタクシーで帰るのが無理ならば、少し割高になりますが、パンフレットのから1社を選んで、明日の10時~11時の時間で、介護タクシーの予約をしてください」と言いました。

そういわれても、自分でも普通のタクシーに乗れるのかどうか、わからないのですが。。 でも「さっきまでベッドから動いてはいけなかった人が普通にタクシーに乗って帰った」では、 普通に考えておかしいと思い、介護タクシーを頼むことにしました。 介護タクシーの会社に電話してはじめて、タクシーの運転手が病室まで迎えに来ること、 それが退院の時間になるということがわかりました。

退院の許可が出れば、少なくともトイレ(大)はトイレでしていいはずと思い、 先の若手看護師さんに「(昨日の要領で)車椅子でトイレまで連れて行ってほしい」と頼みました。 トイレを済ませた後、再び看護師さんを呼び、ベッドまでの戻りをお願いすると、 看護師さんから「リハビリのため、自分で車椅子を動かしてください」と言われました。 退院することになったとはいえ、さっきベッドアップ制限が45度から60度に変わった人なのに、 対応がこんなに変わるの?あまりのギャップに面喰らいました。

それにしても、退院後に自宅でどのように過ごすべきかについての説明がありません。 回診に付き添っていた看護師さんが再び来たとき、「現状のベッドアップ60度の制限はどういう状態なのか」と聞いてみました。 すると「普通に座っていいのは90度になったときなので、ベッドから動いていいのはやむを得ないトイレ(大)のときぐらい」とのこと。退院の際に介護タクシーを使うべきか迷ったと話をしたら、絶対使うべきと言われました。うーん、さっきの若手看護師の対応は良かったのかしら。

退院時、会計がいくらくらいになるかもわからなかったので、教えてほしいと頼むと、 事務の人が病室に来て、金額を教えてくれました。差額ベッド代6日分だけでしたが、結構な金額でした。

入院最後の夜はとても静かでした。夜勤の看護師さんは面倒見のいい人で、薬をちゃんと飲んだかなどの確認をされました。そんなこと今まで誰にもされなかったのですが。。結局、看護師によって、言うことやることは、違うということですかね。。

退院:5月2日(火)

最後の回診でしたが、自分一人でトイレに行っている間に医師が来て、トイレの外から「お大事に」といわれただけで終わってしまいました。 その後、薬剤師さんが来て、退院してからの薬の相談をしました。最初の日に7日分もらっていた痛み止めはほとんど飲んでいなかったので、追加はせずに今ある残りを痛みがあるときに飲むということにしました。 妻が会計を済ませた後は、介護タクシーが来るまで一緒に病室で待機。

約束の10時に、車椅子を持った介護タクシーの運転手が来ました。見送りに来た看護師さんに挨拶をして、病室を出ました。

介護タクシーの運転手さんによれば、タクシーを利用するのはほとんど年寄りのかたとのこと。手のかからない客で、ちょっと意外だった様子でした。 介護タクシーの運転手さんが車椅子を押し、自宅の玄関前まで連れてってくれました。

入院生活を振り返って

普段どおり会社に出かけていったはずが、突然の入院。しかも人生初めての入院でしたが、病院はただ「安静にしてて」というだけ。

こちらは、自分の怪我の状態や禁忌の動作、退院の見込みなど怪我に関することから、 回診がいつあるとか、トイレ、洗髪、歯磨きのしかた等入院中の生活に関することまで、 わからないことだらけだったのですが、いちいち聞いたことしか返ってこない、戸惑いの日々でした。

正直、退院してからネットで調べてはじめて、第一腰椎圧迫骨折がどういう怪我なのかがわかりました。

ネットには、腰椎圧迫骨折は治療が安静にしているだけだから、入院させてもらえないこともあるとも書かれていました。忙しい病院にしてみると、自分のような手のかからない患者にまで手が回らないのかもしれませんが、ちょっと不親切だったなぁと思いました。

それにしても、空調のザーッという音だけが聞こえる締め切った部屋のなか、身動きもできずに、ただボーっと横になっている状態は、想像以上に苦痛でした。

自分の年齢でも、何かしらやることがなければ、すぐボケてしまうと思いました。 聞きたいこと、頼みたいことがあっても気軽にできないため、つい我慢してしまいますが、 これもじわじわストレスになりました。

体力も、わずか数日の寝たきりの間に、かなり低下していることを実感しました。 寝たきり後、はじめてトイレに行こうとして起き上がった時は、貧血で冷や汗が出ましたし、 はじめて歩いたときは、ほんの数歩で息があがり、足も後でだるくなりました。

こうした環境に辛抱できず、わずか6日で退院したわけですが、結果的には、怪我も急性期を過ぎた頃で、ちょうどよかったと思っています。 ただ将来的に、もっと長期間入院しなければならないことがあるとしたら、そのときがより心配になりました。ずっと健康でいられることを祈るばかりです。。

自宅療養:5月2日(火)~

今日(5月11日)でちょうど受傷後2週間になりました。

退院してからも、安静にしていなければならないのは変わらないので、昼間は、主に座椅子に座り、テレビを観たりしながら過ごしています。

退院直後は、普通の椅子には座れませんでしたが、いまは座れるようになり、食事もテーブルで食べられるようになりました。

ただ、長時間座っていると、じんわり腰が痛くなってくるので、座椅子や布団で休みます。 布団から起き上がるときも、上手に起きないとまだ痛みます。

トイレに行くのは退院直後から問題なし。風呂は退院の翌日から立ったままシャワーで入っています。 腰にかかる負荷は、座っているときよりも、立っているほうが少ないです。 まだ屈む姿勢が痛くてできないため、足はひざ上ぐらいまでしか洗えていません。 手の支えなしに屈むことができず、洗面台で手を洗ったり顔を洗うのが、最もきつい動作です。

通院:5月11日(木)

今日は退院後はじめての診察の日で、午前中にバスに乗って病院に行ってきました。 家の前のバス停から6つ目、バス停の目の前に病院があります。 受傷後、はじめて自分の足で外を歩きましたが、昨日一昨日の間に自宅マンションの中を少し歩いたことが予行演習になったのか、案外普通に歩けました。

レントゲンで骨の状態を見た感じでは、経過は良好とのことでした。 このまま安静を継続し、2週間後、また病院に行くことになりました。

体力が落ちているので、少しずつ動くようにしていきたいのですが、無理をすると治りが悪くなるようなので、 バランスをとってやっていきたいと思います。

医療保険の保険金請求

医療保険に入っていたので、退院してすぐの日に保険会社に電話をし、保険金請求の手続きをしました。 届いた書類に必要事項を記入し返送すると、ほとんど日を置かない間に、保険金が口座に振り込まれました。 スピーディーな対応にちょっとびっくりしました。

ただ、掛け金が安い保険なので保険金も安く、差額ベッド代をすべて補うことはできませんでした。 掛け金以上のリターンを得るには相当入院しなければなりませんが、 それはそれで持ち出しのお金が余計にかかります。 普通に貯金してたほうがよさそうなので、落ち着いたら見直しするつもりです。

労災保険(療養補償と休業補償)の手続き

退院して家に帰った日、会社から送られてきた療養補償の用紙に加筆し、 妻にあらためて病院に持って行ってもらいました。これで、病院の治療費に関する手続きは完了。 しかし、今日の通院で薬が院外処方されたため、薬局に提出する用のものがもう一枚必要になりました。

休業補償は、療養の期間が未定でも通常の給与支給のタイミングで分けて出す人も多いようですが、 療養の見込みが1か月程度なので、確定したときに出したいと思っています。

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