SynologyのNAS「DS216j」にVPNサーバーをインストールして、外から自宅のネットワークに接続する。

このところ、先日購入した HUAWEI MediaPad T2 7.0 Proを使って、 何か新しいことができないかといろいろ試しています。
おじいちゃんやおばあちゃんの家に行ったときに子どもの運動会などで撮ったビデオなどを、 ちょっとした話のついでに気軽に見せることができたら盛り上がるのではないかと思いました。
設定をしてみたところ実用に耐えられそうだったので、その方法を紹介したいと思います。

我が家のネットワーク構成図

まず簡単に我が家のネットワーク環境を説明します。 フレッツ光のレンタル機器(VDSL)と無線LANルーターを接続し、ルータと同じLAN上にNASと2つのパソコン、 AmazonのFireTVStick、タブレット、スマホなどが繋がっています。NAS(SynologyのDS216J)にはIPアドレスを固定で割り当てています。

デジカメで撮った写真、ビデオカメラで撮影した動画、テレビを録画した動画、音楽ファイルは、 NASにすべて保存するようにしており、普段は家の中で、 パソコンやタブレット、スマホ、FireTVStickを使って、NASのデータを参照しています。

外にパソコンやタブレット、スマホを持ち出してもこれと同様のことをできるようにする、 というのが今回やろうとすることです。

DS216J

これを実現するためには、自宅に「VPNサーバー」というものを用意します。 VPNサーバーは、バーチャル・プライベート・ネットワークサーバーの略で、 外から接続した機器を自宅内のネットワークの一員として振舞えるようにするもの。
外に持ち出した端末(スマホやタブレット)で、インターネットを介してVPNサーバーに接続すると、その端末(スマホやタブレット)は自宅LAN上の機器の仲間として扱われるようになり、結果、自宅にいるときと同じようなことが実家でも行えるようになるというしくみです。

DDNSサービス「mydns」とPCソフト「DiCE」で自宅を定める

VPNサーバーを用意する前に、外からVPNサーバーのある自宅の場所がわからないといけません。

自宅でインターネットに接続する際には、プロバイダから「グローバルIPアドレス」というものが割り当てられています。これは自宅の住所のようなもの。
外から自宅にアクセスしたいと思ったら、外からこのアドレスを指定すればよいのですが、 やっかいなことに、通常「グローバルIPアドレス」の値は、変化するようになっていて、 自宅の住所が定まりません。

プロバイダでは「グローバルIPアドレス」が変わらないように「固定IPアドレス」というサービスを提供していたりもしますが、有料で費用は大体月額1000円程度。それなら、そこまでして自宅に接続しなくてもいいかなと、あきらめてしまいます。。

これとは別に、「グローバルIPアドレス」を特定の名前(ドメイン名)と紐づけてくれるDDNSサービス(ダイナミック・ドメイン・ネーム・システム・サービス)というものがあります。これを利用すると、IPアドレスを使わずに特定の名前を指定して自宅にアクセスができるようになります。
しかし、このサービスは、グローバルIPアドレスとドメイン名を紐づけるだけのもので、 プロバイダーによってグローバルIPアドレスが変えられるたびに、DDNSサービスのIPアドレスの設定を自分で変えないといけません。
この作業を、都度手動でやらなければならないとしたら、使いモノにはなりませんが、 DiCEというフリーのPCソフトを使い、自動で行うことができるとのこと。

無料のDDNSサービスの業者として名が通っている「mydns」を利用し、 グローバルIPアドレスの設定を「DiCE」で行い、自宅の住所が定めることができました。

設定は以下のリンク記事などを参考にしました。
DDNS(ダイナミックDNSサービス)とは?無料DDNSサービスの「mydns」で、自宅PCを設定したみた
Synology NASをDDNS(ドメイン名)でアクセスする

調べてみると、mydnsへのグローバルIPアドレスの設定は、DiCEを使わなくても、 DS216jでできるようでした。ひとまず、両方から設定することにしました。

Synology製NASからMyDNS.JPのDDNSアドレスを更新する

DS216J

SynologyのNAS(DS216j)にVPNサーバーをインストール

続いてVPNサーバーの用意です。用意といっても、SynologyのNAS(DS216j)があれば、 DS216jのアドオンパッケージからソフトをインストールすればよいだけです。

DS216J

プロトコルはOpenVPNに

外から家のネットワークに接続するということは、便利ですが危険も伴います。 用意されている3つのプロトコル(PPTP、OpenVPN、L2TP/IPSec)のうちでは、 OpenVPNが最も安全性が高いそうなので、これを利用することにしました。

設定はサーバーだけでなく、ルーターのポート変換、PC・スマホ・タブレットなどクライアント側も必要になります。以下のリンク記事などを参考にしました。
VPN Server の設定
DS216JでOpenVPN環境を構築する
VPN Serverで自宅にVPN接続(OpenVPN編)~DiskStation DS218j

すべての準備が整ったところで、いよいよ接続です。

「自宅に接続し、録画データを視聴」できました!

まずはじめに、OpenVPNのアプリを起動してVPNサーバーに接続します。 接続は、自宅のLANに繋がっている状態では失敗するので、 自宅にいるときはWiFiの接続を切り、電話の回線を使います。

DS216J

VPNの接続ができたら、あとは家にいるときと同じことが何でもできます。 動画を保存しているフォルダにアクセスしてファイルを開くと、 動画を見ることができました。画面右上の小さな鍵マークがVPN接続の印。

DS216J

大成功です。便利な時代になりました~。

AmazonのFireTV stickでNASの動画をTVで視聴する

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