続日本100名城:佐賀県三養基郡基山町の基肄城(きいじょう)に行く

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久留米城から移動し、本日2城目。

基肄城は、背振山系の東端にある基山(きざん)と峰続きの東峰の稜線を、 総延長4.3kmの土塁で結んだ日本最古の朝鮮式山城。 築城は665年。昨日訪問した水城と同様に、唐・新羅の侵攻に備えるために築かれました。
日本書紀でも紹介されている歴史ある城です。

城の面積は約60ヘクタール。東京ドームでいうと12.8個分。 主な遺構は、南門跡の水門と、西側の基山頂上周辺、山中の建物の礎石群。 遺構は点在しており、全てを見てまわろうとすれば一日がかりになりそうな規模。

下調べなしで行けば、時間をロスしたり、見どころを見逃してしまいそうな気がしたため、 出かける前にひととおりの予習をして臨みました。

基山(きやま)町民会館

まずはじめに、続100名城スタンプ設置場所の基山町民会館へ向かいました。 勝手に木造の小さな建物を想像していたら、ものすごく立派なビルでびっくり。 城までの行きかたと、城の中の地図をもらいました。

ちなみに、城は基肄城(きいじょう)で、城山は基山(きざん)。町の名前は基山(きやま)です。 町の名は、山と間違えないように別の読みにしたようですが、なんかややこしいです。

基肄城

基山町のサイト

南門・水門跡

かつて城の南門があったと考えられている場所には、谷の水を排除するための施設である水門が作られています。 今から1350年以上前のものが、現在も残っています。

この城の大事な見どころで、是非とも訪れたい場所ですが、 この周辺は平成30年7月の西日本豪雨による土砂災害があり、いまも復旧工事中。 そのためか、町民会館で城までの地図をもらったときにも最初はここを案内してもらえませんでした。

しかし、事前にネットの口コミで「自己責任の範囲ですが、水門の100mぐらい手前まで車で行き、そこから歩いていけば見ることは可能」 との情報も得ており、職員さんに「水門に行きたいのですが」と話しをしてみたところ、口コミ情報と同じ回答をされたので、来てみた次第。 行かないほうがいいと言われたらあきらめるつもりでした。

町民会館からは車で15分程度。柵の手前に車を停めて、ここから歩きます。 復旧工事によって道路が真新しくなっていました。

基肄城

水門跡

石碑の右側に小さな神社が建っていたようですが、土砂崩れにより跡形もなくなっていました。 よく水門が無事でしたね。。

基肄城

現地説明板によると、石垣は平成22年に保存修理がされたようです。 ただ、水門のまわりはしっかりしていて修理が不要だったとのこと。 古代の技術のすごさがわかります。

基肄城

水門を城の内側から

基肄城

水汲み場

水門のそばに水汲み場があり、ペットボトルに何本も水を汲んでいる家族がいました。 「そのままでも飲めますか?」と話しかけたところ、おかしなことを言うなぁという表情で「大丈夫ですよ」とのこと。
土砂崩れ以前は、成分表示の案内板などもあったそうです。 手に掬って飲んでみると、とてもおいしい水でした。普段は水道の水ばっかりなのですごく新鮮でした。

基肄城

水門前にあった案内図

水門跡から先のほうは、徒歩でも行けないようだったので、 一旦車に戻って、地図の左のほうに見える「草スキー場」に移動します。そこから山を登って、他の遺構を見学するつもり。

基肄城

草スキー場

水門跡からは車で10分程度でした。 草スキー場までの道路は、だんだん道幅が狭くなり、最後はすれ違いも出来なくなりました。 町民会館で案内された道が、こんな厳しいとは思いませんでした・・。 何度か対向車に待避所まで下がってもらいながら、到着。 続100名城はこういうところが多いです。。

基肄城

ここから、スキーで滑って降りる場所を反対に登っていきます。フーー。

基肄城

基山頂上周辺

それでもなんとか10分ほどで上まであがれました。 山の稜線は南北に通っていますが、南に見える一段高くなったところが基山山頂。 まずはそちらのほうにいってみます。

基肄城

いものがんき

その途中、特徴のある凹凸地は、中世に基山山頂に築かれた「木山城」の遺構で、 尾根からのルート遮断する防備施設とのこと。

基肄城

基山頂上

標高405m。

基肄城

北側の眺望

基肄城の土塁がみえます。

基肄城

南側展望台横からの眺望

久留米市の方向。

基肄城

スキー場を登ったところに戻り、今度は稜線上を北上していきます。

城跡碑

基肄城

城址碑の裏の一段高いところから北側(博多方向)の眺望

うっすら博多のビルが見えました。

基肄城

ここから「丸尾礎石群」経由で「東北門」まで歩いて行き、来た道を折り返す予定。 道を間違えて引き返すのが嫌だったので、反対方向から歩いて来たグループに道を尋ね、確認しながら進みました。

基肄城

「北帝門」跡との分岐。北帝門のほうに行って見たい気持ちも若干ありましたが、 距離が少しありそうなのと、なんだか迷いそうな道だったのでパスしました。

基肄城

だんだん下り坂がきつくなってきて、戻ることを考えると嫌になってきました。。

基肄城

丸尾礎石群

高台から約15分で到着。礎石は草に覆われて少々見づらい状態でした。

基肄城

基肄城

東北門

丸尾礎石群から約10分で到着。

基肄城

東北門を外側から

門の脇に礎石があったようなのですが見逃してしまいました。

基肄城

来た道を通って、草スキー場の駐車場に戻りました。

所要時間は約2時間40分

草スキー場の駐車場に戻ったのは13時。 予習していたコース通りに大体まわれて、所要時間は町民会館含めて約2時間40分でした。

山道を歩くため家から持ってきたストックが本当に役に立ちました。 暑かったのですが、山の上は時々冷たい風も吹いて、気持ちのいい登城でした。





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