"東京の多彩な建築を体験し楽しむイベント"東京建築祭2025が開催されていることを知り、5月24日、25日の2日間で4つの建物をまわってきました。 今回は25日に訪れた2か所のレポートです。
三井本館
三井グループの拠点で、2019年に開館90周年を迎えた「複合オフィスビル」の先駆けともいえる建築物。三井合名、三井銀行、旧三井物産、三井鉱山などが入居していた旧三井本館が1923年(大正12)の関東大震災で被災。改修か建て替えか協議の結果、三井合名会社社長で三井家10代当主の三井八郎右衛門高棟(たかみね)と同社理事長・團琢磨の主導により、建て替えされることになりました。設計・施工を当時世界最先端の建設技術を誇ったアメリカの事務所に依頼し、約4年の歳月をかけ、1929年(昭和4)に竣工。三井合名は日本初のホールディングカンパニー(持株会社)。建物は現在もオフィスビルとして利用されており、1階には三井住友銀行、三井住友信託銀行が入っています。
今回の東京建築祭では、合名玄関とエレベーター、5階フロアの一部が特別公開されます(エレベーター内と5階は撮影禁止)。
こちらの見学は事前予約制で希望者は当日の朝7時にWebサイトで予約申込をするようにとのこと。
昨日、この存在に気づいた時には既に受付が終了していたので、今日は7時ちょうどに手続きをしました。
ところが数分のうちに予約はいっぱいになり、ぎりぎり最後の一枠を取ることができました。
予約時間の少し前に到着し、ぐるっと外観を撮影しました。
中央通り側の北東端から。建物は東西に長い長方形をしています。
東側正面、三井信託銀行の入口。
南東端。三越との間の道路は「江戸桜通り」と名付けられた桜の名所です。
南西端。
北西端。道路を挟んだ西側には日本銀行の建物があります。
西側正面。オフィスフロアへの入口。
合名玄関。オフィスフロアへ向かう1階エントランス。
合名玄関の黒電話。
エレベーターで5階へ。撮影禁止の5階フロアはホテルような扉が並んでいました。
中には入れませんが三井系企業の役員室だったり、三井家同族会の部屋がありました。
フロアの通路を西から東に半周して、反対側のエレベーターで1階に戻ります。
1階の東側エレベーター前。
三井住友信託銀行入口。
日本橋三越本館
隣の日本橋三越本館は、1914年(大正3)に竣工した建物。関東大震災で建物の一部に損傷を受けましたがその後改修、増築を重ねて現在に至ります。設計は横河民輔、施工は清水組(清水建設)。 後になって今回の建築祭で6階の三越劇場が5月22日に特別公開されていたのを知りました。平日だったのでどのみち難しかったですが。。三井つながりの歴史的建造物ということで、外観を撮ってきました。
三越の創業は4代将軍徳川家綱の時代の延宝元年(1673)。
中央通りに面した本館正面玄関。
正面玄関のライオン像。
日本橋三井タワー
三井本館の北隣は、三井不動産が所有する、2005年に竣工した地上39階地下4階の超高層ビル。
「日本橋は三井」ということがよくわかりました。
丸石ビルディング
現在の所有者でもある株式会社太洋商会によって1929年(昭和4)に着工され、1931年(昭和6)年に竣工したロマネスク様式のオフィスビル。設計は後に霞が関ビルを手掛けた山下寿郎。施工は竹中工務店。現在も現役で使用されています。太洋商会は貸事務所業を営む企業。
三井本館を見学してからそのまま中央通りを北に歩いて行きました。特別公開の1Fエントランスホールは事前申込は不要ですぐに入れましたが、撮影禁止だったので写真は外観だけ。
外観。
外観。
入口。ライオンの石像。
このあと、昨日行った旧万世橋駅にもう一回、前日見落とした部分を見に行って東京建築祭2025の見学を終えました。
私は2010年から100名城・続100名城めぐりをしていますが、それは現地の遺構を見ながらその地域の歴史に思いをはせるのが好きだから。
今回の建物めぐりもそれに通じるものがあって楽しめました。